イベント用カーテン 遮光と印刷を一度に仕上げる
ステージ、ブース、会場向けのオーダーメイドカーテン購入ガイド。生地と遮光率、ヒダ倍率の計算、吊り方法、入稿データ、仕上げ公差まで現物の数字で整理します。
舞台とブースで失敗しない特注カーテンの仕様決定手順
ステージの背景幕、ブースの背面壁、午後4時には暗くしなければならない会場窓。三つの別の問題に見えるようですが、実際は同じ二つの質問に戻ります。この空間に本当に必要なのはどんな生地と仕立てか、そしてペタンと平坦に下がるのではなく、きれいに見せるカーテンを仕様としてどう決めるのか。
このテーマの解説の多くは、海外のレンタルと施工の会社が書いています。あれはパイプとカーテンの枠がすでに存在し、あなたの仕事はそれを飾ることだけだと前提しています。視点として有用ですが、採寸する段階、ヒダ倍率が注文する生地の量を決定する段階、そして上端加工によって施工が10分で終わるか半日かかるかが決まる段階が抜け落ちています。この記事はオーダーメイド工場の側から書きます。計算の中身、遮光度の段階が部屋で何をするか、そしてあなたの入稿データから印刷カーテンができるまでの流れです。
印刷カーテンでしか解決できないこと
パイプとカーテンのキットは、飾り付けるための構造物です。アルミのパイプをベースプレートに立て、カーテンをクリップで留める。そのカーテンはほぼ毎回、規格サイズの無地の面です。速く、使い回しがきき、寸法を多少間違えても目立ちません。生地そのものを見る人はいないからです。
オーダーメイドの印刷カーテンは逆の性質を持つ品です。アートワークを載せる面であり、実際の開口や壁の寸法に切り出す対象です。ブースの背面に社名、ロゴ、コピー、実写の写真、イラストを横幅いっぱいに載せる必要があるなら、印刷すること自体が目的になります。無地のカーテンでは、ブランド表現を後から別の印刷パネルや看板として足さなければなりません。印刷カーテンなら、背景もブランド表現も同じ一枚の布です。
引き換えに寸法への要求は厳しくなります。規格のカーテンは寄せて留めるなどしてほぼどんな開口にも合わせられますが、仕上がり品は裾処理済み、上端加工済みの状態で、指定した幅と高さで届きます。だから本記事で採寸のパートが最も長く、そして注文する前に読んでいただきたいのです。選択肢の全体は オーダーメイドカーテン のページにまとめ、会場設備の一部としてご検討の場合は ホスピタリティ・イベント用品 のまとめで他の品もご覧いただけます。
ステージ、ブース、会場、それぞれの要求
三つの場面は同じ製品へ異なることを求めます。
ブースの背景幕には、見栄え以外の仕事が一つあります。ブース背面の荷物を隠すことです。ケース、ケーブル、予備在庫、食べかけの昼食まで、幅いっぱいの背面幕の後ろに隠れます。観客は数メートル離れて見るうえ、斜めから見ることも多いので、生地の織り方より色の再現と絵付けの位置のほうが重要になります。ブース背景はブース区画の実寸幅で指定するのが基本で、重めの生地は形を維持しやすいので調整の手間が減ります。
ステージ背景は照明の下で平らに保つ必要があります。人が通ると膨らむ、湿った部屋で生地同士が張り付く、といった挙動はすべての動きを見せてしまいます。強いステージ照明の下では、波打った面は生地が良品でも欠陥として読まれます。厚手の柔らか生地と高精度遮光生地は、落ち方がよいと説明されています。膨らまず、張り付きません。ステージ背景は高さも現実的な制約になります。仕上がり高さが2.7 m を超えると継ぎが必要で、継いだ高さは継ぎ目に出るからです。写真を撮られる背景なら、継ぎ目が隠れる位置、あるいは意図的にデザインへ織り込む位置へ来るよう絵付けを計画してください。
会場の背景は、ブランディングより調光の話になることが多いものです。ホテルの宴会場、フィッティングルーム、ダンススタジオ、会議室の窓には、プロジェクション用に完全な遮光が必要になることもありますし、まぶしさだけ消して部屋を洞窟にしたくない場合は60%の遮光が合っていることもあります。同じカーテンが間仕切りも兼ねるケースが多く、その場合は仕上がり寸法とヒダ倍率が生地の種類と同じくらい効いてきます。
ブースやステージを単に覆うのではなくステージングとして仕上げる場合は、印刷生地に加えて看板と照明の要素が並びます。オーダーメイドのネオンサインは暗い背景の前に光る見せ場をつくるので、一緒に使われることが多い品です。
生地と遮光度:写真ではなく部屋で決める
遮光度が第一の決定事項で、生地のサンプル写真ではなく部屋の条件で決めるべきものです。全体として示されている選択肢は60%、90%、100%で、シェニール遮光は約95%に達し、一部の生地は70%を超えます。既定値は多くの場合60%です。より暗い部屋が必要なら、より高い遮光度の生地を指定してください。
第二の決定は扱いやすさです。重く層の多い生地は、枠でも棒でも輸送中でも挙動が変わります。三層織りの厚手遮光生地は通常のカーテンの約3倍の生地を使い、外部の音を遮るため、隣室が問題になる会場に適します。その重量ゆえ、リネン調の軽量カーテンより丈夫な取付点が必要です。
| 生地 | 遮光度 | 落ち方と取り扱い | 向く用途 | 買い付け担当が知っておくこと |
|---|---|---|---|---|
| 改良ベルベットリネン | 約60% | 柔らかく中程度の高さ | リビング、店舗、会場的一般な窓 | 既定の遮光度。ベルベットリネンはドライクリーニングのみ |
| 厚手高精度 | 約90% | 高密度で真っ直ぐ落ちる | 会議室、映写機の近くの窓 | 既定より暗い部屋が必要ならこちらを指定 |
| 改良ブラックベニー | 全面遮光 | 両面リネン調 | ブース、ステージ袖、ホテル客室 | 両面リネン調で完全な遮光 |
| ベルベットリネン遮光裏地付き | 全面遮光 | 重めで騒音低減 | 浅い眠りの方、ホテルと住宅 | 完全遮光と外部騒音の低減を兼ねる |
| シェニール遮光 | 約95%まで | しっかり、表面へ印刷 | ブランド背景、ショーウィンドウ広告 | 裏面はこげ茶。絵柄は印刷面が担います |
| 三層織り厚手遮光 | 全面遮光 | 全ラインナップ中最も重く、外部の音を遮る | 騒ぐ会場、間仕切り、ダンススタジオ | 通常カーテンの約3倍の生地を使用 |
| 厚手ソフトと高精度遮光 | 構造により異なる | 落ち方がよく、膨らまず張り付かない | 照明下のステージ背景 | 遮光度だけでなく落ち方を見て選ぶ |
| 厚手コットンリネンに黒糸と断熱層 | 全面遮光 | 層構造、断熱 | 熱気や隙間風のある部屋 | 構成は黒糸第一層、高密黒糸層、厚手コットンリネン層、金色断熱層 |
| リネン調 | 高密度遮光芯 | 軽く通気性、裏面はナノ繊維 | 店舗、スタジオ、自宅の内装 | 表面はリネン質感、裏面は無地の平滑面 |
| 輸入ロールスクリーン生地 | 商品により異なる | たたまず巻いて使う | カーテンが不向きな窓 | 吊りカーテンではなくロールスクリーン用 |
生地のいくつかは環境試験の結果を公開しています。その結果は、ホルムアルデヒドなし、臭いは検出されず、分解性発癌性芳香族アミン染料は検出されず(限度値 ≤20)、pH 6.4 は規格範囲 4.0–9.0 の内側、繊維組成はビスコース 72.6% / ポリエステル 27.4% とされています。水、汗、摩擦、光に対する色牢固は基準を満たすとされ、GB 5296.4-2012 と GB/T 17592-2011 に適合するとされています。防炎証明は公開していません。会場で延焼性能の文書による確認求められる場合は、この記事から推測せず現地でご確認ください。
正しく測る:ヒダ倍率の計算
買い付け担当が最も少なく発注し、結果として開いた平坦なカーテンになるのが、この一点の計算です。
レールまたは棒の全長 × ヒダ倍率 = 注文する生地幅。
既定のヒダ倍率は1.5倍で、1.5–2倍が推奨されます。3 m のレールを1.5倍にすると約4.5 m の生地幅が必要です。これは通常2枚に分けられるため、下記の基準表でも開口が広い場合は2枚の選択肢を示しています。これより少なく注文すると、ヒダはほとんど残りません。開口の上に引っ張って張ったようになり、端から光が漏れ、面は装飾されているのではなく緊張して見えます。
意図的に1倍のヒダで注文する場合は計算が変わり、端からの光漏れを防ぐためにカーテン全長へ +40 cm を足す必要があります。これは飾りではなく、本来ヒダにあるはずの生地の代替として置く余裕です。
高さは別の考え方です。仕上がり高さの既定は 2.7 m です。2.7 m を超えると継ぎが必要になりますので、背の高い開口は最初から継ぎ目を織り込んで計画してください。
ロールスクリーンには独自の計算式があります。
- 正面付け: スクリーン幅 = 窓の内法寸法 + 20 cm、スクリーン高さ = 窓の内法寸法 + 10 cm。
- 枠内付け: スクリーン幅と高さは窓の内法寸法どおり。ただし枠の深さが 5 cm より深く、内側へ開かない窓であることが条件です。
- スクリーン生地自体は取付幅より約 4–6 cm 狭く なります。これは正常で、採寸違いではありません。
最後に、カーテンには棒・レール・引くコードの金具は含まれません。会場に吊るものがない場合は、それも計画に入れておく必要があります。
採寸の基準表
まずは出発点として使い、あとはご自身のレールまたは棒の全長で確認してください。
| レール・棒の有効幅 | カーテン幅(ヒダなしの平置き) |
|---|---|
| 0.6–0.7 m | 1枚 × 1.0 m |
| 0.8–0.9 m | 1 × 1.2 m |
| 1.0–1.1 m | 1 × 1.5 m |
| 1.3–1.4 m | 2 × 1.0 m または 1 × 2.0 m |
| 1.6–1.7 m | 2 × 1.2 m または 1 × 2.5 m |
| 約2.0 m | 2 × 1.5 m または 1 × 3.0 m |
| 約2.3 m | 2 × 2.0 m または 1 × 3.5 m |
| 2.6–2.7 m | 2 × 2.0 m |
| 3.0–3.4 m | 2 × 2.5 m |
| 3.6–4.0 m | 2 × 3.0 m |
| 4.3–4.7 m | 2 × 3.5 m |
下端と上端:上端加工で吊り方を選ぶ
上端加工が、会場側に何を準備してもらうかと、施工にかかる時間を決めます。
| 吊り方 | 対応する下地 | 施工上の注意 |
|---|---|---|
| ナノハトメ | ローマンレールのみ | 立体感が強く出る。洗濯時はハトメのリングを外す |
| 4つ爪フック用ヒダテープ | リング付きレール・ローマンレール | 洗濯時に取り外しやすい。フックの間隔を動かして幅を調整できる |
| 1つフック用ヒダテープ | リング付きレール・ローマンレール | 取り外しは最も簡単。幅を調整できる |
| マジックテープ | 平面の下地とパネル | 低コスト、施工と撤去が簡単、保持力が高く、糊残りせず、掃除しやすい |
| 穴あけなしロールスクリーン | 穴を開けられない窓 | 穴あけなしで取付。引きリングと部品はアルミで、静かに滑らかに動く |
| 伸縮棒 | 向き合う壁のある開口 | 片端に5 cm 残り幅に合わせて組み、カーテンを通してから締め付けて固定する |
実際の問題は、会場にすでに何があるかです。リング付きレールならフックの選択肢が開け、二種類のフックとも間隔を変えて仕上がり幅を調整できます。リングのないローマンレールならナノハトメです。文化財建築や、穴開けを許されない借りブース区画では、穴あけなしロールスクリーンかマジックテープが向いています。何もない場合は伸縮棒が自立する解になりますが、押し付ける面が二つ必要です。
背景へ絵付けするための印刷
印刷は片面の高精細デジタル印刷で、色持ちが良く環境にも配慮したものと説明されています。遮光の働きは生地の物理的な構造、すなわち多層織り、遮光コーティング、黒糸層から来ていて、印刷そのもの由来ではありません。そのため遮光度は、入稿する絵柄ではなく選ぶ生地で決まります。
入稿の条件はシンプルで、CDR・AI・EPS などのベクターデータ、または高解像度の PSD・JPG です。描き直しが必要な形式は手作業として料金を計算します。シャープさを保つには約10000 × 10000ピクセル以上を推奨します。小さなデータを数メートルへ引き延ばす大きな背景で、特に効いてくる数字です。画像ライブラリの検索は無料、サイズ調整も無料です。
注文の流れは、窓を測る、絵柄と寸法を送る、仕上がりを確認して承認する、入金後に量産する、という順です。機械の条件は公開していません。印刷温度や加圧時間といった数値は生地・絵柄・設備に依存し、メーカー同士で比べられる一定値ではないためです。比べる価値があるのは、選ぶことによって会場で何が違うかです。三層の生地が軽量なリネン調と比べてどう動くか、重い生地ほど取付点を丈夫にする必要があるのはなぜか、という点です。
施工当日に起こりうること
オーダーメイドの布製品で通常のこと、そして到着前に知っておくとよいことをいくつか挙めます。
輸送じわ。 カーテンは折りたたんで梱包して届きます。輸送じわはアイロンで伸ばせます。
裾の公差。 伸縮のある生地を手作業で仕上げるため、仕上がり高さと幅にばらつきが出ます。丸裾は約3–5 cm、場合により1–2 cm または3 cm ほどを取り、裾処理で1枚あたり10–20 cm 幅が減るのは公差の範囲内で、欠陥として扱われません。
色。 画面の色(RGB)と印刷の色(CMYK)は違います。色を完全に再現できる印刷工程は存在しないため、サンプル画像と完成品にわずかな差が出るのは前提にしてください。
におい。 仕上げと梱包の後、生地特有の弱いにおいが残ることがあります。換気のある部屋に吊れば消えます。環境試験済みの生地自体は無臭です。
手入れ。 ドライクリーニングを推奨します。洗濯機を使う場合は先に浸し、弱いコースで、脱水と乾燥機は使わず、自然に乾かしてください。ベルベットリネンはドライクリーニングのみです。6か月から12か月に一度の清掃を勧め、その間はほこり払いをします。
欠陥ではないもの。 カーテンは無数の経糸と緯糸で織られているため、糸端、繋がった糸、止め跡は見た目に影響しません。
この種のカーテンの使用場面はステージ以外にも広がっています。寝室、リビング、子ども部屋、寮、ゲームルーム、オフィス、ホテル、店舗、フィッティングルーム、ビリヤードルーム、ダンススタジオ、美容サロン、ライブ配信スタジオ、会議室とショールームの背景、住宅の内装、ショーウィンドウ広告、間仕切りです。
ご仕様の確定を
まもなくの展示会、ブース、会場に向けて、生地、遮光度、ヒダ倍率、吊り方を決める必要があるなら、製品ページに遮光レベル、生地の選択肢、吊りスタイルを一か所にまとめています。お見積もり依頼 に、レールまたは棒の全長、仕上がり高さ、入稿データを添えてください。生地幅を確定してから裁断に入ります。sales@yichico.com、WhatsApp +86 13585719693でも受け付けています。最少発注数は 1枚、サンプルは 1〜3日、量産は 2〜10日 です。